硬膜動静脈奇形
その結果、本来そこに流れていくべき静脈に「血液の交通渋滞」が起きてしまい、その部分の組織の循環障害や静脈の逆流を起こします。これらの現象がどこで起こるかによって症状は様々ですが、代表的なものとして以下のような症状があります。
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動静脈シャントの部位によって以下のように分類されます。
頭の位置でだいたいどの辺りか、イメージして頂ければいいかと思います。
海綿静脈洞部
脳の静脈や眼の静脈が流れてくる重要な部位です。この静脈洞内の圧が上がると眼の静脈のうっ血やさらに進むと逆流を生じ、眼の充血、腫脹、眼球の突出、複視など眼症状が出ます。拍動性耳鳴がすることもあります。
軽微な症状のこともありますが、重度の眼症状、脳静脈への逆流による脳出血などの危険性もあります。
横・S状静脈洞部
部位からも拍動性耳鳴は特徴的な症状です。その他、脳静脈のうっ血の程度によっては脳出血や認知機能障害などを起こすこともあります。
その他
- 前頭蓋底
- 上矢状洞部
- テント部
- ACC部
- 頭蓋頚椎移行部
脊髄
つまり、治療ではこれらの過剰なシャント血流をどのようにして消失、あるいは低下させるかを考えます。どの血管が鍵になっているかを診断し、綿密な治療計画を立てることが必要で、そのためには術前の詳細な検査が必要であり、先に述べました検査が必須です。
治療
血管内治療
外科的治療
複合的治療
放射線治療も行われていますが、効果は短期間で出るものではなく、第一選択になることはありません。 この疾患の治療としては血管内治療を第一選択とし、それが困難な場合には外科手術が選択されます。経静脈的、経動脈的塞栓のいずれにおいても治療が不完全に終わった場合や治療後の再発などには放射線治療も検討されます。 |