末梢神経を構成する神経を包む細胞(シュワン細胞)から発生する良性腫瘍です。脳神経では聴神経からの発生が最も多いです。三叉神経や顔面神経から発生することもありますが非常に稀です。
脳腫瘍の約10%を占め、40~60歳の中高年に多い腫瘍です。
腫瘍としては良性ですが、緩徐に増大し周囲の神経や脳を圧迫することで症状が生じます。聴神経腫瘍では聴力障害、めまい、ふらつきといった症状が多いです。顔のしびれや物が二重に見えるといった症状を生じることもあります。
CTやMRIに加え、聴力検査や三半規管の機能が治療方針に関係します。
手術と放射線治療が治療の中心です。小さい腫瘍であれば経過観察することも一つの選択肢ですが、経過観察した場合は半数が増大するといった報告もあり、小さくて聴力に影響のないうちに治療する方がいい場合もあります。しかし治療には聴力低下のリスクも伴いますので、担当医師とよく相談することが重要です。