グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



トップページ > 転移性脳腫瘍

転移性脳腫瘍


疫学

肺がんからの転移が45.6%と約半数を占めます。そのほかには乳がん、悪性黒色腫、大腸がんなどが多いですが、どんながんでも脳転移を生じる可能性があります。

検査・診断

転移性脳腫瘍が疑われる場合は原発巣を特定するために血液検査で腫瘍マーカーを測定したり、全身の核医学検査(ガリウムシンチグラフィー)を行い全身を検査します。転移性脳腫瘍が先に発見され、これをきっかけにがんが発見されることもしばしばあります。
造影剤を使用したCTまたはMRIを行います。腫瘍は造影剤でよく染まり輪郭がはっきりする傾向があります。画像検査だけでは神経膠腫との区別は困難であり、その場合は手術による摘出、病理診断を要します。
手術を安全に行うために心臓超音波検査や呼吸機能検査で心肺機能を確認します。また腫瘍と脳血管の位置関係を把握するために当院では脳血管撮影を行っております。

治療

脳以外の全身状態から予想される生存期間や脳腫瘍が単発か多発かなどによって方針が異なります。予想される生存期間が3か月に満たない場合はステロイドや浸透圧利尿薬などの薬剤による保存的治療を行います。予想される生存期間が3か月以上の場合は、腫瘍が単発で手術可能な場所であれば手術の適応となります。手術が不可能あるいは多発している場合は放射線治療が選択されます。
脳転移がある場合は複数臓器への転移を伴っていることが多く、予後不良なことも多いですが、手術、化学療法、放射線治療を組み合わせることで、長期生存されている患者さんもおられます。脳神経外科だけでなく原発巣の主治医とよく相談し治療を検討することが重要です。